写真集紹介

kirin.jpg写真集のご紹介
写真上達のコツはとにかく効率的に「良い写真集を読む」ことではないでしょうか。
写真とはご存じのようにあらゆるジャンルがあります。
本屋さんに行きますと「グチャグチャ」になっておりまして、どれを選べば良いのか分からなくなってしまいます。
そんなわけで私のテキスト指南としては
「『写真の撮り方』系の本をあまり信用しないこと」に尽きます。手始めに写真機の使い方を学ぶのでしたら良いのですが、お手本があまりにもつまらない写真が多すぎます。実践したところで、誰でも同じ写真しか撮れないでしょう。例えば富士山を撮影する場合はある程度の参考情報としての本は必須です。しかし、それを参考にして一年に二度の「ダイヤモンド富士」を撮影するために同じポイントに数百人スタンバイしているのを見ると「代表で一人が撮影してみんなにデータをコピーすりゃいいんじゃないか」と思います。おっとつるかめ。
さて、そんなわけで、ここでは、子ども写真の参考になる写真集を中心に、私が影響を受けた写真に関する書籍を紹介していこうと思います。あ、著作権等の問題に気を使い書籍写真画像をリンクの形で示しているだけですので、購入方法はご自由に。


藤代冥砂氏は基本的にファッション、ポートレート系のカメラマンですが、名著「ride,ride,ride」のように、スナップ片手に南米の風俗ギャルを撮り歩いたり、ととにかくなんでもござれのクールなカメラマン。この写真集はモデルの奥様との穏やかな日々を綴ったスナップ写真集。たまたま作品集にした、という形にしか見えませんので、とにかく力の抜けた作品。ほっこり。


ちょっと似たようなタイトルでしたのでこちらも。カンボジアで死亡した報道写真家一ノ瀬泰三の写真集プラスお母様の手記。お母様の信子さんは泰三さんの写真を一括管理。息子さんの思いを伝えていくため、そこからプリント、現像作業のノウハウを学んでいきました。実質的に最高齢の女性プリンターではないでしょうか。数年前、ある取材で佐賀のご自宅でお話を伺いました。まだお元気でしょうか。


Philippe Halsmanはアメリカの広告系のフォトグラファーです。何冊かの本を残していますが、とびきりハッピーなのがこの「jump book」。モンローからニクソンから果てはダリまで、有名人が「ジャンプ」している写真を延々と載せています。彼によれば「ジャンプしているとその人そのものが現れる」とのこと。さあ、皆さんもガキをジャンプさせてみましょう。大好きな写真集です。ちょっとプレミアムがついちゃっているのが残念ですねえ。写真集って、特に洋書はすぐに絶版になって妙な価値が付いてしまいます。欲しいものはすぐに買うのがコツです。


夭逝した写真家、牛腸茂雄の名著。自身が病弱だった牛腸が世の中を見る柔らかで優しい視線。牛腸は一般的に「コンポラ写真」と呼ばれる写真ムーブメントの代表格として語られます。つかず離れずのとても独特な距離感。この「柔らかさ」が牛腸の真骨頂です。あたたかな写真集。傑作です。

島尾伸三氏は父が「死の棘」の島尾敏雄、娘さんが漫画家の島尾まほと芸術家一家。ある縁で私の自宅に来られ、我が家の冷蔵庫を奥様の写真家潮田さんに撮影していただいた思い出があります。この本は娘さんの「まほ」さんの幼少期の写真をまとめたもの。親ばか写真でも作品になるのだ、という例です。もっとも島尾さんは大変ユニークな方でして「奇妙な生き物を観察している」という視線といいますか、まほちゃんとは微妙な距離感があります。この距離感が作品へと昇華できた理由です。

「ガキは天才だ」という一つの都市伝説を写真というツールを利用して実験した企画モノ。子どもたちに写るんですなどを渡して撮影してきた写真を編集して一冊の写真集にしています。一見メチャクチャな写真ばかりですが、編集の力でとても勢いがあり、みずみずしい写真集になっています。企画を作り出した方のアイディアに脱帽です。

平間至さんが故郷塩竃市で撮影した地域密着型作品。海辺の街に暮らす人々ののんびりしたポートレート集。平間さんはその他、ライブを企画したり、と手弁当で故郷の活性化に努力されています。人格者です。なお、この本の出版社が破産しましたので手に入るかどうか微妙です。